広島西プレイルーム/会員様のお便り
保護者会員 中本 照子 様 寄稿
幼小コピカ 中本 悠水 くん (六歳)

悠水が四歳半の時、初めてアトリエの「創作」体験に行きました。「習い事」という日常と異なる環境に慣れず、母子共にどきどきしていましたが、一時間の間、真剣な顔付きでダイナミックな作品を完成させ、とても満足気な様子だったことが昨日のように思い出されます。
入会してからは、日頃家庭ではなかなか体験できないオブジェ造りや積木遊び、お料理などなど、子どもにとって興味津々の創作活動を存分に楽しむようになりました。
アトリエでの楽しそうな様子は変わりなかったのですが、幼稚園の年長になった頃から同年齢のお友達の絵と自分の絵を比べ、なぜか自分の絵は下手だと言うようになりました。その頃から、家や幼稚園では絵を描くことを嫌がり、アトリエ以外では「創作」から遠ざかってしまいました。
周りと自分の違いを認識できるようになったと考え、成長の一端だと思えばよかったのでしょうが、親としては少し残念な気持ちで見守っていました。アトリエでは優しい先生方に沢山ほめていただいて、自由にのびのび描いているのに、家では全く描かなくなってしまったからです。
小学校に入学して、学校生活にも慣れたゴールデンウィークが過ぎた頃から、急に「ママと一緒にいたい!」と泣き虫になり、どこに行くにもママの顔が見えないと不安で泣いてしまうようになりました。
学校に行く時も、習い事も、公園で遊ぶ時も、もちろん大好きなアトリエでも…。
しかし、べったりと一緒に過ごす時間を持つことで、不安も少しずつ解消し、元気になっていったように思います。
夏休みを越える頃、アトリエであるきっかけがありました。その週のテーマは『円柱』で、サボテンを描いた時でした。
その時も、先生のお話では、「描きたくないな…」と、とても自信なさそうだったということでしたが、完成はさせました。
「うまく描けんかった…」と、やっぱり自信なさそうな悠水に、先生も私も、「すごくいいよ」と声をかけましたが、うかない顔でした。
その翌週、悠水の絵が、額に入れてアトリエに飾ってありました。それを見た悠水の顔が、パッと明るくなりました。それをきっかけに、あれほど家で絵を描きたがらなかった悠水が、田舎の野菜卸売所で「冬瓜、描きたい!」と周りの人が驚くほどの大きな声で叫びました。丸くて大きな冬瓜がよほど衝撃的に目に飛び込んできたのでしょう。
それ以降、車の中から真っ赤な太陽を見たり、大空に白くて長い飛行機雲を見つけては、「ママ、写真撮って!家に帰って描きたい!」と言うようになりました。
最近は、週末ごとに時間の許す限り、スケッチブックを持って親子で出かけ、鮮やかな紅葉やコスモスの花を画いて創作のひとときを過ごしています。絵や作品が増えても、できるだけ飾って楽しむようにしています。
絵を描くことを嫌がった時期も、アトリエだけは楽しく通えていたのは、そこで「みんなと自分、違っていても良い」と言う事を少しずつ理解できるようになったからだと思います。
「創作」することにおいて最も大切な事を、決して強制ではなく、いつも優しい笑顔であたたかく見守りながら教えて下さった先生方のおかげだと思っています。これからも「悠水画伯」の個性的な作品が家中に溢れることを楽しみにしています。
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