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全国から寄せられた新しいお便り

何でもできるもん!

広島安佐プレイルーム
保護者会員 吉川 順 様
      大俊 くん(10歳)

広島安佐プレイルーム

私の童具との出会いは、結婚を機に創造共育を取り入れていた保育所に勤めはじめた22年前にさかのぼります。研修会で和久先生から「子どもを信じて待つこと」、「無我夢中になる時間」の大切さを聞かせていただき、心に響き感動したことを今でも覚えています。
私は、子どもが大好きで保育士になりましたが、なかなか子どもを授かることができず、童具との関わりは仕事上でしかありませんでした。現場で子ども達のはかり知れない創造力を引き出していく創造共育(童具)にふれ、私はいつしか「童具で子育てがしてみたい」という夢を持つようになっていました。
童具と出会って13年目に、私は一人息子を授かりました。童具での子育てという夢が叶う喜びから、一つひとつ我が子と味わいながら大切に童具とふれあっていきました。<ケルンボール>、<さくらんぼ>、<ベビーボール>…。私にとって、童具を通して我が子とふれあう時間が過ごせることは、何よりの喜びでした。
しかし、子育ては思うようになりません。我が子は、思い通りにならないとしっかり自分の意思を私に伝え、ぶつけてくる子に育っていました。それは、大人しいタイプで育ってきた私にとってとまどうことの多い子育てでした。
「見たい」「行きたい」「触りたい」と思うと即行動! の我が子。母親である私は、ハラハラしながらいつも落ち着かない子育てをしていたように思います。時には、我が子のそんな姿に悩み、涙の出る日もありました。今思えば、少しも「子どもを信じて待つ」親にはなれていなかったように思います。
1歳半で、迷うことなく念願のアトリエに入会しました。アトリエでも我が子の行動は変わらず、時には先生のお話も聞かず部屋の中の興味がある物のところへ行ったり、外から消防車のサイレンが聞こえると窓の方へ一目散…。今思えば、息子はいつも興味のあることに無我夢中だったのかもしれません。そんな時も中木秀成先生、明美先生は我が子の良いところを見つけ、受け止めてくださいました。
3歳児となり、親子クラスを卒業すると、アトリエに行きたがらない日がしばらく続きました。息子に話を聞いてみると、「お母さんと一緒なら行く」と言うのです。私は内心、(うちの子だけどうして…)と思うこともありましたが、そこでも中木先生は息子の思いを受け止めてくださり、しばらく親子二人で通わせていただきました。
毎日忙しく、親との時間があまりなかった息子にとって、唯一アトリエでの時間が母親を独占できる時間だったのかもしれません。今では「行ってきます!」と、一人でアトリエの扉へ向かって走っていく我が子を見ながら、その時のことが懐かしく思い出されます。
息子は小学4年生となり、興味関心も様々に変わってきました。今は戦国時代の歴史に無我夢中で、先日も夏休みを利用してお城を巡り、本物を見て目を輝かせていました。その後、一人で積木のお城をどんどんつくり上げていく姿は、親である私も尊敬するほどでした。
つくり終えてひと言。「積木は何でもできるもん!」と…。わが子の思いの強さは、積木遊びで培ってきた「何でもできるもん!」という揺るぎない自信からきているのではと感じました。
「何でもできるもん!」
この言葉を思い出すたび、その響きに私も自信をもらっています。これからも、童具共育を通して様々な経験が出来ることを喜び、子育てを楽しんでいきたいと思います。
童具とのご縁を作ってくださった和久先生をはじめ、その都度思いを受け止めて下さったアトリエの中木秀成先生、明美先生に感謝しながら、親子共に成長していきたいと思います。

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