わたしにとっての創造共育 わたしにとっての創造共育

『子どもの力』札幌中央プレイルーム支部長 村上深雪

2002年が過ぎた頃。
子育てをするお母様や子ども達と一緒に、お互い安心して学びあえる居場所が欲しいと考え『絵本と童具のお店』を開店しました。
お店といっても8畳ほどの細長く狭い部屋で、子ども達に絵本の読み聞かせやビーズなどの童具遊びをしながら、お母様の子育てについてお悩みを伺う子育て支援センターのような場所になっていきました。
その活動と同時に、子育て情報があふれている昨今だからこそ、子ども達にとって副作用のない子育て情報を届けたいと思って始めた『ゆったり子育て講座』も回を重ね、毎年和久先生をはじめとする各界の講師の先生方をお招きした講座を開催し、札幌の私たちに勉強をする機会をいただいておりました。
和久先生には講演会のみならず、積木のワークショップや造形活動など、札幌の子ども達が心ゆくまで楽しめるスケールの大きな活動をしていただくことで「札幌に和久先生が来てくださる」と講座はすぐに満席となり、先生の子どもたちへの想いが伝わるのを主催者としてうれしく感じておりました。
そんな中、お母様方から「札幌にアトリエができたらいいですね」とつぶやく声が出始め、だんだんとその声が大きくなり、背中を押されるようにして、私自身も一歩前に踏み出し、和久先生のアトリエを開設するために講師認定講座に参加させていただくことになりました。
その研修会で、今まで講演会やワークショップを開催するだけでは見つけ出すことができなかった世界が私の中で広がりました。
それは先生の言葉の一言一言から感じる子ども達への深い愛と哲学と敬意であり、大人が子ども達を前にして傲慢であってはならぬということを、私に深く伝えてくれた経験でした。
少しずつアトリエへの道が近づくのを感じながら何日も研修会に参加させていただき、2006年9月、ついに札幌中央プレイルームを誕生させることができました。
今まで、子育て講座やお店に遊びに来てくれていた子ども達が、わくわく創造アトリエ会員として物事のつながりを感じながら「知りたい!やってみたい!」を受け入れる共育に、ついにたどり着いた時でもありました。
それからは子ども達が笑顔でいきいきと楽しんでいくにはどうしたらいいのかを考えながら、和久先生が仰る"子どもの力を信じること"を教訓に進んで参りました。
(現在、札幌はベビークラスがありますが)親子クラスの少し大きな子たちの中で、負けじと活動していた当時最年少の満一歳だった子たちも、いまや高校一年生。自分のやりたいことをそれぞれ見つけて、部活動も頑張りながらアトリエにもまだ在籍中。授業や部活の合間を縫って久しぶりに来ると「アトリエいいなぁー」「くつろげるわぁー」「安心できるなぁー」と素敵な言葉を言ってくれます。
長い年月をかけ、子ども達が信頼してかけてくれる言葉に、アトリエ開設当時に目指していた「子どもたちに信頼される大人になりたい!」という目標にほんの少しでも近づけているのだとしたら、子ども達に感謝しかありません。
もしも私が和久先生や子ども達に出会うことなく人生を過ごしていたならば、子ども達に対してとても傲慢で独りよがりで残酷なことを言ってしまう大人になっていたかもしれません。アトリエという子ども達のすべてを受け入れ「君は君のままでいいよ」と言ってあげられる場を持たせてもらえたからこそ、子ども達の成長を見守れる自分であれたのだろうと改めて感じます。
世の中はコンテンツを消費して生きる時代になってきています。おまけにコロナ禍。部屋にいるだけでエンターテイメントがいくらでも手に入るのが当たり前な環境です。それも良いのですが、それだけでは受動的で"自分らしさ"が発揮できません。自分の体で体験し、五感を使い、やりたいことを試行錯誤しながら見つけだす環境が今こそ必要だと実感しています。
和久先生がフレーベルを学び、私たちに届けて下さった「関係性」という根本原理を、一人でも多くの子ども達に届けたいと思っております。

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